外傷性てんかんという症状とその後遺障害

2020 4/13

交通事故が起きると、脳に関する障害が残ってしまう事があります。その1つは外傷性てんかんで、やや痴呆症に近い状態になってしまう事もあるのです。外傷性てんかんに対する後遺障害の等級は、多彩です。

一番重たい1級になってしまう実例もありますが、それだけに認定される等級がポイントになるでしょう。また外傷性てんかんは、治療が比較的難しい症状でもあります。やはり専門知識が豊富な医師による診察を受けるべきです。

目次

外傷性てんかんという症状とその判別基準

外傷性てんかんとその種類

脳に大して大きな衝撃が加わると、神経細胞の状態が悪化してしまう事があります。そして細胞の一部が興奮状態になってしまい、精神に関する障害が生じたり、運動に関する問題点が起きてしまう事もあるのです。

その外傷性てんかんにも、以下のように色々な種類があります。

  • 直後てんかん
  • 早発てんかん
  • 晩発てんかん

この3つは、症状が発生した時期によって分類されます。1つ目の直後とは、事故が発生してから24時間以内のことです。2つ目の早発は1週間以内であり、3つ目は8日以降になります。2つ目の早発てんかんは、晩発てんかんに変化する事もあります。

外傷性てんかんにはどのような症状について

外傷性てんかんには、主に以下のような症状があります。

  • 体が弓状に反って硬直する
  • 皮膚の色が青紫になる
  • 失神や失禁

人によっては、上記のような症状が頻発してしまう事もあります。症状の繰り返しによって細胞が傷ついてしまい、下記のような状況になる事もあります。

  • 性格が変わる
  • 知能低下
  • 痴呆症
  • 高次脳機能障害

外傷性てんかんかどうかを判別する6つの基準

なお診断の際に外傷性てんかんであるかどうかを判別する基準は、以下の6つがあります。

  • 実際に発作が起こっているかどうか
  • てんかんの場所は脳傷害が生じた箇所と一致しているか
  • てんかん以外に疾患は特にない
  • 脳傷害が生じるほど外傷が強かったかどうか
  • 外傷を受けてからあまり日数が経過していない時期に、一番最初のてんかんが見られた
  • 外傷を受ける前までは、てんかんの発作が起きた事がない

外傷性てんかんに対する検査や治療と事故との因果関係

外傷性てんかんにはどのような治療が行われるか

外傷性てんかんに対する治療法ですが、基本的には薬物治療になります。晩発てんかんに対しては薬を処方しますが、事故が発生してから8日経過後に発作が見られない時は、予防用の薬が処方されることが多いです。

予防薬は、だいたい3ヶ月間に渡って処方され続けます。脳の状態が安定してくるまでは、しばらく薬を飲み続ける訳です。ただし症状が重たい時には、2年間に渡って飲み続ける事もあります。

外傷性てんかんかどうかを確認する検査

また医療機関では、もちろん検査も行われます。外傷性てんかんの場合、2つの検査によって発見される事が多いです。

まず1つ目は脳波検査です。脳の信号の状況を確認してみて、てんかん独特の放電があるかどうかを確認したり、何らかの異常所見があるかどうかを見極めます。ただ脳波の状態が正常でも、てんかんが潜んでいる事もあります。

もう1つは画像による検査です。てんかんはレントゲンでは見つかりませんから、主にMRIやCTなどの検査を行った上で、脳に損傷があるかどうかを確認します。

もちろん検査によって損傷が見つかれば、それは交通事故の証拠になるでしょう。

外傷性てんかんに詳しい病院を選ぶ

外傷性てんかんの場合、病院の専門性も軽視できません。少なくとも上記のような検査を行ってくれる病院で、診察を受ける方が良いでしょう。

この症状の場合、医師の専門性に大きく左右されます。というのも他の症状と違って、やや誤診が多いからです。外傷性てんかんにあまり詳しくない医師ですと、何らかのミスが生じる可能性もあるので、注意が必要です。外傷性てんかんに詳しい医師の診察を受けるのが望ましいです。

事故との関連性がポイントになる外傷性てんかんと弁護士相談

また外傷性てんかんだけではありませんが、やはり事故との因果関係がポイントになります。外傷性てんかんという症状があっても、事故との関連性が無いと判断されれば、肝心の慰謝料も支払われません。

特に頭に対する衝撃が弱かった時は、要注意です。あまり強い衝撃を受けていなければ、そのような症状を引き起こす確率も低いと思われてしまうのです。現に裁判でも、事故との因果関係を否定されてしまい、慰謝料が支払われなかったケースがあります。 因果関係を証明するのが難しそうな時は、弁護士に相談してみる方法もあります。交通事故に強い弁護士ですと、適切な対応策を教えてくれる事も多いです。

外傷性てんかんの後遺障害認定等級と弁護士への相談

外傷性てんかんに対する認定等級

外傷性てんかんのような後遺症が残ると、後遺障害の申請手続きも行うことになります。この症状の場合、認定される等級は1、2、3、5、7、9、12級があります。たいてい5級以下で認定されますが、高次脳機能障害が併発した時には、3級以上になる事もあるのです。

1級ともなると、常時介護が必要な状態です。そうかと思えば、検査でてんかんの症状自体は見かけるものの、服薬が不要なケースもあります。それぐらいのレベルですと、12級になります。

後遺障害認定等級がポイントになる外傷性てんかん

そして外傷性てんかん以外にも言える事ですが、やはり認定等級が大きなポイントになるでしょう。1級と12級では、非常に大きな差があります。自賠責基準で1級と認定されれば1,100万円になりますが、12級では93万円になってしまうのです。2つ以上の等級の差は、金額にして150万円以上の差になります。どのような等級で認められるかにより、慰謝料の金額も大きく変わってくるのです。

外傷性てんかんで適切な等級で認定されるポイント

適切な等級で認定されるためには、まず医師は慎重に選ぶべきです。外傷性てんかんに詳しくない医師ですと、本来よりも低い等級になってしまう可能性があります。診断書も書いてもらう事になりますし、専門知識がある医師の診察を受けるのが望ましいです。

それと弁護士相談です。そもそも上記の1,100万円や93万円という金額は、自賠責基準になります。弁護士基準ですと、1級なら2,800万円ぐらいになる傾向があり、12級でも290万円目安になります。

外傷性てんかんは、交通事故との因果関係を証明するのは難しい事もあります。被害者1人で証明するハードルは、かなり高いです。しかし弁護士に相談すれば、医療データなどの証拠を提示して、症状の深刻さを実証してくれます。最終的に受け取れる慰謝料も高くなりやすいですし、やはり交通事故に強い弁護士に相談してみる方が良いでしょう。

外傷性てんかんの後遺障害認定等級についておさらい

高次脳機能障害を併発するぐらいですから、外傷性てんかんはとても怖い症状である事は間違いありません。1級ぐらいのレベルになると、およそ社会生活も難しいですし、適切な慰謝料は欠かせません。逆に症状が軽い場合、事故との因果関係を証明するのは難しい事もあります。

外傷性てんかんの場合、やはり弁護士に相談しながら手続きを進めていく方が良いでしょう。そして専門知識が豊富な病院で診断を受けるべきです。

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