交通事故が原因の脊髄損傷とその後遺障害の慰謝料

交通事故が原因の脊髄損傷とその後遺障害の慰謝料

交通事故が起きると、脊髄損傷という状態になってしまう事があります。

車が何かに衝突すれば、やはり運転手には大きな衝撃が加わってしまうのです。それで脊髄に大きなダメージが生じて、ひどい時には損傷箇所から下側が完全に麻痺してしまう事もあります。

認定される等級は非常に幅広く、1級から12級など色々ありますが、全体的に高額な賠償金が支払われる実例が多いです。それだけに等級認定がポイントになるでしょう。

目次

脊髄損傷の主たる症状とその慰謝料の金額

脊髄損傷の主な症状とは

脊髄損傷の実例は色々ありますが、人によっては介護が必要な状態になってしまう事もあります。過去には追突事故で脊髄に強い衝撃が加わり、体の広い部分が麻痺してしまい、家族による介護が必須の状態になってしまったケースもあるのです。

そうかと思えば、胸部に対する強い衝撃が加わった結果、両方の下半身が完全麻痺の状態になってしまった事故もあります。詳細は後述しますが、その完全麻痺の事故ではかなり多くの慰謝料も支払われているのです。ちなみに1級で認定されています。

上記のように体が麻痺してしまう実例が多いですが、脊髄損傷にも色々なパターンがあります。下記のように、主に3つの症状が見られるのです。

  • 局所症状
  • 全身症状
  • 麻痺

上記の1つ目は、下記のような症状が見られます。

  • 膨張や変形
  • 可動域が限られてしまう
  • 打撲
  • 痛み

2つ目の全身症状ですが、脊髄は体の他の箇所に影響を及ぼしてしまう事も多いです。心拍数が大きく変化したり、血圧が下がったり、呼吸症状などが見られます。人によっては、かなり深刻な状況になっていて、それこそ人工呼吸も必要です。

そして3つ目は、上述のような麻痺です。下半身が完全に麻痺してしまえば、日常的な動作もおよそ不可能になるでしょう。

脊髄損傷に対する慰謝料はどれくらいか

では慰謝料はどれぐらいの金額になるかと言うと、過去の裁判例を確認する限り、1億円を超えている実例が多数見られます。

例えば上述の下半身が全身麻痺になってしまった方の場合、最終的には1億9,500万円近く支払われているのです。逸失利益は7,100万円近く支払われていますし、将来の介護費も3,300万円近く支払われていて、その他の費用を合算して1億9,000万円近く支払われた形になります。

また上述の家族の介護が必要になった被害者の場合、2億7,000万円近く支払われています。家族が強いられる介護の負担や、逸失利益などの数字を考慮した結果、結局は1級と認定されたのです。

もちろん脊髄損傷の慰謝料は、必ずしも上記のような金額になるとは限りません。実際にはもう少し低い等級で認定されるケースもあり、1億円以下になる実例もあります。

ただ他の交通事故の症状と比べると、支払われている慰謝料の金額は、総じて高めです。

脊髄損傷の後遺障害と争いで確認される点

脊髄損傷はどのように後遺障害を認定するか

上述の脊髄損傷という症状に対する後遺障害の認定基準は、主に2つあります。

1つ目は、脊髄損傷によって引き起こされる障害も考慮して、後遺障害を認定する事になっています。脊髄損傷により神経因性膀胱障害という状態になってしまうこともありますが、その障害の状況なども考慮して、認定するようになっているのです。

もう1つは麻痺です。そもそも麻痺といっても、範囲は色々あるでしょう。かなり広い範囲に渡って麻痺しているケースもあれば、かなり範囲が狭いケースもあります。その状況に応じて、認定するようになっています。

さらに下記の3つの点も確認します。

  • 身体的所見
  • MRIやCTなどが示す画像所見
  • 可動域や麻痺の具体的症状を医師が確認して作成された意見書

これらの点を総合的に考慮した上で、最終的な等級が認定される訳です。

脊髄損傷の言い争いに関して確認される点

上述の脊髄損傷という症状は、言い争いになる事があります。

加害者と被害者が示談交渉する訳ですが、なかなか話がまとまらない事もあるのです。というのも被害者によっては、脊髄損傷を患っているかどうか疑問な事もあります。

検査を行ってみても、画像では脊髄損傷を確認できなかった時などは、争いになりやすいです。

脊髄損傷の場合、基本的には下記の3点が確認されます。

  • 症状と脊髄損傷が整合しているかどうか
  • 交通事故と関係あるのか
  • 既往症

まずは被害者の症状を客観的に確認してみて、本当に脊髄損傷なのかどうかを調べる訳です。そして、交通事故との関連性も調べます。事故前からその症状を患っているかどうかも確かめて、事故が直接的な原因だったかどうかも確認するのです。

脊髄損傷の慰謝料を左右する等級と弁護士相談のメリット

脊髄損傷の慰謝料に大きな影響を及ぼす認定等級

ところで上記でも少々触れた通り、脊髄損傷の慰謝料はかなり高めになる傾向はあります。しかし、「必ず」高い金額になるとは限りません。認定される等級も色々あるので、人によってはやや低めになってしまうケースはあります。

上記の慰謝料の実例を見る限り、全体的に1億以上と認定されている実例が多いですが、それは1級と判定された時の話です。実際には、1級レベルではない事もあります。

そもそも脊髄損傷は、症状が微妙な事はあります。実際この脊髄損傷という症状は12級と判定されるケースもあるのです。脊髄損傷にも色々なレベルはありますから、かなり低めな等級で認定される可能性は実際あります。

その等級の差は、非常に大きいのです。上述の下半身が全て麻痺してしまった方の場合、逸失利益は7,100万円台になっています。ちなみにその方の年収は530万円台でした。

なぜそこまでの金額になるかというと、労働能力喪失率です。1級という状態ですと、喪失率は100%になります。あらゆる等級の中でも一番高い喪失率になるだけに、減収分の金額もかなり高めになる訳です。

しかし低い等級で認定されてしまえば、もっと低い逸失利益になっていた可能性があります。1億円以下になっている可能性さえあるのです。ですから脊髄損傷という症状は、高い等級で認められるかどうかがポイントになるでしょう。

脊髄損傷の慰謝料は弁護士に相談

高い等級で認定される事を目指すなら、やはり弁護士に相談すべきです。それも交通事故に強い弁護士に相談するのが、一番無難です。

脊髄損傷に関する慰謝料を請求するなら、加害者側の保険会社とも交渉しなければなりません。しかし保険会社は、必ずしも被害者の味方をしてくれるとは限らないのです。不利な条件を提示されてしまうケースも多々あります。

ですが弁護士は、その保険会社との交渉も代行して、高い等級で認定されるよう働きかけてくれるのです。証拠も提示しつつ交渉を進めてくれますし、相談を検討してみると良いでしょう。

まとめ

下半身全体が麻痺してしまう事もあるくらいですから、脊髄損傷は慰謝料の金額も高めになる傾向があります。

しかし、やはりそれも認定される等級次第なのです。本来よりも低い等級で認定されてしまうと、かなり慰謝料が安くなる可能性もあるのは、注意を要するでしょう。

加害者の保険会社は交渉に慣れているケースも多いですし、脊髄損傷という状態になってしまった時は、やはり交通事故に強い弁護士に相談するのが無難です。

関連記事

コメント

コメントする

目次