車に何かが衝突すると、運転手の背中付近に強い衝撃が加わってしまう事があります。それで脊椎周辺に深刻なダメージが生じてしまうケースも、少なくありません。人によっては、それで後遺症が残ってしまう事もあるのです。
脊椎に対する症状の場合、後遺障害の等級は比較的重くなる傾向があります。6級や5級などと認定されるケースも多く、慰謝料も比較的高めです。その症状を実証する為には、やはり弁護士に相談すべきです。
脊椎周辺の骨が折れてしまう症状とその影響
脊椎や腰椎とはどのようなパーツなのか
交通事故で診察を受けると、腰椎圧迫骨折や胸椎圧迫骨折などと言われる事があります。その腰椎や腰椎という箇所は、いわゆる背骨の一部に該当するのです。
人間の骨格の模型を見てみますと、背骨は複数の細かいパーツで形成されているでしょう。厳密には頚椎が7個と、腰椎が12個と腰椎が5個のパーツでできているのです。骨の間に椎間板というクッションのような物があり、一番下側に仙骨や尾骨が付いていて、それら全てを総称して脊椎と呼ぶのです。
その多数骨の内側には、とても重要な神経が通っています。周りを骨でカバーして、神経にダメージが変わらないようにしているのです。とても大切な役割を担っている事だけは、間違いありません。
交通事故による圧迫骨折で脊椎がダメージを受けてしまう
ところで交通事故で強い衝撃が加わると、背骨の上下方向に強い力が加わってきます。余りにも強い力が加われば、もちろん骨折してしまいます。上下に強い力で圧迫された骨折は、「圧迫骨折」と呼ばれるのです。上述の腰椎圧迫骨折や胸椎圧迫骨折といった症状の場合、たいていその圧迫骨折が原因なのです。
交通事故に限らず、通常の日常生活を送っている時も発症する事はあります。自転車が転んでしまって、尻もちを付いた時などは圧迫骨折になる事が多いです。
その状態になって整形外科で治療を受けると、たいていギプスやコルセットなどで手当てされます。たいていはそれで回復しますが、やはり症状が重たいと後遺症が残ってしまう事もあるのです。
仕事にも影響が及ぶ脊椎周辺の骨折
それで脊椎がダメージを受けることによる問題点は、やはり日常生活や収入に関する影響です。
現に過去には、交通事故で脊椎に強い衝撃が加わってしまい、仕事に支障が出ると裁判で認められたことがあります。15年ぐらいは仕事に支障が生じてしまうと判断されて、慰謝料も支払われました。いわゆる逸失利益です。
収入を得るのも難しくなってしまうぐらいですから、深刻な症状である事は間違いないでしょう。被害者からすると、適切な金額での慰謝料を支払ってほしいものです。
脊椎の症状の等級と慰謝料の傾向
交通事故による脊椎の症状は等級はどれぐらいか
ところで交通事故で後遺症が残った時には、必ず等級認定があります。症状の重さに応じた等級があって、全部で14段階になるのです。1級が一番重たいです。
では脊椎周辺の骨折はどれぐらいの等級になるかというと、5、6、8、11、12、14級あたりがあります。もちろん5級が一番重たいのですが、やはり個人差はあるのです。
例えば脊柱の変形の程度です。変形したような痕跡が感じられる時は、11級ぐらいで認定される傾向があり、著しい変形が残っていれば6級と認定される事もあります。椎体が少しへこんだ程度では、非該当と認定される事もあります。
それと運動能力に対する影響です。背中に深刻なダメージが加わると、脊柱が体を支えるのも難しくなってしまう事があります。その程度に応じて、6級や8級などと判定される事もあるのです。
また脊椎周辺が骨折した時は、周辺部分に対して悪影響が生じてしまう事があります。人によっては腎臓に障害が生じて、やや重たい等級で認定される事もあるのです。ですから脊椎に対する症状で何級程度と認定されるかは、それこそケースバイケースです。
脊椎の慰謝料の金額はどれぐらいか
いずれにせよ重たい症状が残ってしまった時は、やはり慰謝料も請求する事になるでしょう。その金額なのですが、色々な要素に左右されます。やはり等級が大きな決め手になるのです。
自賠責基準によると、等級に応じて下記のような金額の違いがあります。
5級 | 約600万円 |
---|---|
8級 | 約324万円 |
14級 | 32万円 |
5と14では、それこそ560万円以上の差があるのです。脊椎の症状は、どちらの等級もあり得ます。いかに等級が大切であるか分かるでしょう。
ちなみに弁護士に依頼すると、下記のような金額になる傾向があります。
5級 | 約1,400万円 |
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8級 | 約830万円 |
14級 | 約110万円 |
上述の自賠責等級は最低限の補償になるので、どうしても金額は低くなってしまうのです。ですが弁護士に依頼してみると、具体的な証拠や医療データなどを提示して、症状の深刻さを実証してくれます。
証拠がある方が金額も高くなりやすい訳です。ですから交通事故で脊椎の慰謝料を請求する時は、やはり弁護士に相談すべきでしょう。
脊椎の症状は逸失利益はどれぐらいか
また上記でも少々触れた通り、人によっては収入が減ってしまう事もあります。それに対する慰謝料も、かなり高めです。金額の基準は、下記の通りになります。ちなみに年収400万円の30代男性の例です。
等級 | 弁護士基準 | 自賠責 |
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5級 | 約6,500万円 | 約1,800万円 |
8級 | 約3,800万円 | 約800万円 |
14級 | 約500万円 | 100万円前後 |
逸失利益も、かなり大きな差があるでしょう。この数字を見ても、弁護士に依頼すべきなのは明らかです。
脊椎に関して弁護士に相談するメリット
脊椎の症状で弁護士に依頼するメリットと交渉代行
上記でも少々言及した通り、交通事故で脊椎の慰謝料を請求する時は、弁護士に依頼する方が無難です。なぜ依頼すべきかというと、もちろん上記の慰謝料もありますが、交渉のメリットがあるからです。
残念ながら加害者の保険会社は、脊椎の症状に関して安い慰謝料を強気に主張してくる事が多々あります。理由は主に売り上げ数字です。加害者がその保険会社と自力で交渉するのは、とても大変です。ですが弁護士は、その面倒な交渉を代行してくれます。
脊椎の診断書をチェックしてくれる弁護士
また慰謝料を請求するなら、医療機関から診断書も発行してもらうことになります。問題は、その診断書が適切か否かです。診断書に書かれている内容が不足している時などは、認定等級も低くなってしまう事が多々あります。診断書は、とても大切なのです。
ところが弁護士に依頼すると、その診断書をチェックしてもらう事ができます。被害者が診断書を見ても、どこに問題があるか分からない事も多いですし、依頼してみるのがおすすめです。
まとめ
脊椎が損傷を受けた時の慰謝料や等級は、やはり人それぞれ異なります。それこそ事故の状況次第ですが、症状が重たければ認定等級も重くなります。適正な等級で認定してもらう為にも、やはり弁護士に相談してみる方が良いでしょう。
交通事故に関するサポートを受けられるメリットは大きいです。そして事故の後に治療を受ける時は、通院し続けるようにしましょう。まずは治すのが第一ですし、症状固定になるまで通い続けるべきです。