交通事故が発生すれば、救急車や警察などを呼ぶ事になるでしょう。しかし救急車などの車は、すぐに事故現場に到着する訳ではありません。基本的には速やかに駆けつけてくれますが、それでも少々時間がかかります。
車が来るまで待っている間に、家族に連絡したくなる事もありますが、実はそれよりも加害者側の身元確認を優先すべきなのです。また事故現場の状況は、なるべく詳しくメモに取っておく必要があります。
救急車や警察が来るまでは事故を思い出したりメモを取る事に集中
警察が来るまでに現場のメモを取る
事故現場に関してメモに取るべき理由は、警察から聴取されるからです。警察が現場に着きますと、事故に関して色々な内容を質問されます。具体的には、下記のような点を確認されるのです。
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ブレーキを踏んだ具体的な場所
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相手の車と接触した場所
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相手と自分の車との距離
これらの点を質問されるので、警察が到着した時は「事故の状況を思い出す」という作業が必要なのです。もちろん全ての状況を思い出すのは困難でしょう。スマホなども活用して、できるだけ事故現場を記録しておくと、思い出すのもスムーズになります。
警察が来た時に思い出す作業は過失割合にも影響する
ところで上述の思い出す作業は、とても大切です。事故の過失割合にも大きな影響を及ぼすからです。
事故が発生してからしばらく日数が経過すると、加害者側とは示談交渉も行うことになります。一旦は賠償金などを決めた上で、改めて過失割合も決定する事になるのです。その過失割合の数字は、受け取れる金額にも大きく関わってきます。
過失割合は何を基準に決められるかと言うと、事故に関するデータや状況なのです。警察が実況見分を行えば、証拠も残っているでしょう。それに加えて、本人が事故現場で話した内容も事故データの1つになるのです。ですから適当な事を話してしまいますと、自分にとって不利な過失割合になる可能性があります。それを防ぐ為にも、メモを取っておくべきなのです。
警察が来るまでは家族に連絡すべきなのか
では警察や救急車が現場に到着するまで何分かかるかと言うと、だいたい8分ぐらいと考えておくと良いでしょう。もちろん場所次第です。事故が起きたのが山間部ですと、どうしても時間がかかります。
到着するまでは、被害者としては事故を思い出すことに専念すべきです。それが完了したら、身元確認を行うべきなのです。
また警察が来るまでは、決して家族に連絡すべきではありません。と言うのも警察や救急車は、現場にいる本人に電話をかけてくる事があります。家族に電話していると、肝心の警察からの電話を逃してしまう可能性があります。家族に連絡するのは後回しにして、まずは負傷者を救助すると共に、警察からの連絡を待つ事を優先すべきです。
身元確認を行う理由と確認すべき項目
なぜ警察が来るまでに身元確認すべきなのか
事故のメモなどを取ったら、加害者の身元も確認する必要があります。なぜ確認すべきかというと、主に逃亡防止です。
そもそも事故の加害者は、現場に残ってくれるとは限りません。怖くなって、現場から逃げてしまう可能性もあるのです。それはひき逃げに相当するのですが、あり得ない話ではありません。肝心の加害者が逃亡してしまうと、被害者としては大変困るでしょう。
しかし被害者の身元を確認しておけば、逃げづらくなります。住所や名前などを確認しますから、その情報を握っていれば逃げづらくなるでしょう。
身元確認で何を確認するのか
では加害者のどのような情報を確認するかと言うと、下記の通りです。
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名前
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住所
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相手が加入している保険会社の名前
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加入保険の内容
事故が起きてから日数がしばらく経過すると、相手の保険会社と示談交渉する事になるので、保健の内容も確認しておく訳です。被害者に対しては、保険会社から電話も来る筈です。その際スムーズに電話に出る為にも、保健の内容確認しておくべきなのです。
逆に、相手から身元を聞かれる可能性はあります。その時も、自分の名前などは伝えておくようにします。
できれば、相手の車両の情報も押さえておくと良いでしょう。車のどの部分が破損しているかも確認しておくと良いのですが、メモを取るのが大変な時は、スマホのカメラでも問題ありません。
身元確認よりも身の安全を優先する
1つ注意すべきなのは、一番優先すべきなのは安全確保です。身元確認よりも、まずは加害者と被害者の身の安全を第一に考えるべきです。
相手が負傷していると、話すのも難しい事もあります。その状況で無理に身元確認を行うと、かえって相手の症状が悪化する可能性があります。もちろん自分が負傷している時も、無理に身元確認すべきではありません。
また事故が発生した後は、気持ちが動転しているケースも多々あります。気持ちが落ち着かない状態ですと、情報を確認するのも難しいでしょう。身元確認は、あくまでも余裕がある時に行うべきなのです。
警察が来る前の加害者の行動とその対処法
身元確認を拒んできた時はどうすれば良いか
ところで加害者によっては、身元確認に協力してくれない事があります。自分が事故の加害者になった事を自覚し、うかつに情報を渡したくないという防衛心理が働いてしまう事もあるのです。
その場合どうすれば良いかと言うと、一番良くないのは強引に情報を聞き出す行為です。無理に情報を聞き出そうとすると、トラブルに発展してしまう可能性があります。
無理に聴取する必要はありません。まずは現場にとどまってもらうのが第一なので、身元確認は警察に任せると良いでしょう。
また加害者も、気持ちが動転している事があります。その時も、丁寧に「大丈夫ですよ」と一声かけておきましょう。それだけでも逃亡を防ぎやすくなります。
警察が来るまでに示談するのは禁物
また事故の加害者によっては、現場での即示談を求めてくる事があります。保険会社に話が上がってしまうのも怖いので、すぐに示談を済ませようとする方もいます。
ですが即示談は禁物です。気持ちが動転している時などは、正常に判断するのも難しいので、お互いにとって良くない示談内容になっている事もあります。
またその場で話し合いを済ませてしまうと、キャンセルするのは原則困難です。示談も後回しにすべきです。
警察が来る前に証拠隠滅していた時の対処法
それと警察が来る前に、現場の証拠は押さえておきましょう。スマホのカメラなどを使用して、できるだけ記録を残しておくべきです。
ちなみに加害者によっては、稀に証拠隠滅の工作を行っている事があります。その場合も、無理に刺激すべきではありません。相手が怒ってくる可能性もあるので、あまり刺激しない方が良いでしょう。隠滅される前に、カメラで撮影しておくべきなのです。
まとめ
警察や救急車が来るまで実行すべき事は、2つあります。
まず1つ目は事故現場に関してメモを取ったり、記録を残しておく事です。警察から状況を聴取された時に、スムーズに思い出せるようにするためです。
もう1つは、加害者側の身元確認です。氏名や住所や相手の保険などを記録しておきましょう。なお加害者が身元確認に非協力的な時などは、無理強いすべきではありません。あまり刺激しない方が良いでしょう。