交通事故による後遺障害の等級と慰謝料の判定

2020 3/27

交通事故があると、よく被害者は慰謝料を請求しています。

慰謝料は、主に精神的苦痛に関するお金です。例えば交通事故によって、体を動かすのが難しくなったとします。被害者からすると、自分に何も非が無いのに体を動かすのが難しくなったのですから、精神的苦痛を伴ってしまう事も多々あるのです。

その精神的苦痛に対する謝罪の意味合いもあり、加害者は被害者に慰謝料を支払う訳です。ただし慰謝料の金額にも複数の基準があって、裁判所基準が一番高くなります。

目次

交通事故の慰謝料と後遺障害に対する等級

交通事故の多彩な状況と慰謝料の差

交通事故によって、被害者側には様々な後遺症が残ってしまう事があります。その後遺症も色々あって、それぞれ等級が異なるのです。

そもそも交通事故も、色々な状況が考えられるでしょう。たまたま車と衝突したものの、被害者の体に大した問題点は生じていない事もあります。せいぜいかすり傷程度で済んでいる事もあるのです。そうかと思えば、かなり重傷のケースもあります。それこそ手足の一部を失ってしまったり、失明してしまうようなケースもあります。

前者のようなかすり傷程度であれば、被害者の精神的苦痛は軽いと判断される事が多く、慰謝料も低めになる訳です。ですが後者のような重たい状況になると、慰謝料も高めになります。

色々な等級がある交通事故の後遺障害

ところで交通事故によって明確な後遺障害が残った時は、その障害に関する申請手続きが行われます。その結果、障害に関する等級判定が出るのです。その等級には、色々な数字があります。

具体的には第1級や第4級や第14級などの等級があります。その級の数字が小さいほど、重たい状況であると判定されるのです。

例えば交通事故によって、手の指の一部の骨が失われたとします。もしくは上半身の見える部分に、手のひらサイズの醜状ができてしまったとします。このような症状程度であれば、14級と判定される事が多いです。ちなみに14級は一番軽い等級になりますので、慰謝料の金額も少なくなります。

ところが交通事故によって腕が半分以上無くなってしまいました。肘関節以上は、ほぼ全て喪失された状態です。もしくは交通事故によって、視力が0.05になってしまいました。これぐらいのレベルですと、第4級と判定されます。腕が無くなってしまったのですから、上述の14級のように骨の一部が失われるぐらいのレベルではありません。もちろん慰謝料の金額も大きくなります。

一番重たい1級は、両眼が失明してしまうような状態や、両腕が丸ごと無くなってしまうような状態です。かなり重たい状況であると判断されるので、慰謝料も一番大きくなるのです。

後遺障害の慰謝料は何円ぐらいなのか

では慰謝料の金額はどれぐらいかと言うと、自賠責基準なら14級は32万円になり、13級は57万円となります。そして上述の第4級は712万円となり、第1級1,100万円になるのです。等級の重さによって、慰謝料にはかなりの差がある訳です。

なお後述しますが、ここで触れた慰謝料の金額は自賠責基準になります。裁判所基準ですと、もう少し大きな金額になります。

交通事故の後遺障害の等級通知までの流れと異議申し立て

事故発生から後遺障害等級の判定までの流れ

では交通事故の等級が判定されるまでの流れはどうなるかというと、まずは事故と治療です。交通事故で負傷したなら、医療機関にて治療を受ける事になるでしょう。

そしてしばらく治療を続けると、症状固定という状態になります。これ以上治療を続けても、病状は良くならない状態です。固定された後は、医師に相談して診断書という書類を書いてもらう事になります。

慰謝料に関する手続きを踏むなら、診断書の他にも色々書類が必要です。よく調べて書類を準備し、自賠責の保険会社に提出するのです。

その後は、損保の機構が調査を行います。厳密には機構に関わる事務所が調査を行うのですが、後遺症に関する客観的事実を確認するのです。そして時間をかけて審査を行い、その結果は上述の保険会社に通知されます。その際に、上述の14級や4級などの結果が出るのです。

結果が不満なら異議申し立ても可能

なお被害者は、通知された結果に満足していないケースもあります。想定していたよりも軽い結果になる事もあるからです。

例えば本人としては、てっきり後遺障害8級という結果が出ると想定していました。ところが手続きを進めてみたら、10級などの結果が出る事もあるのです。もちろんその場合、支払われる慰謝料も低くなってしまいます。

この場合、異議申し立てという手続きが行われる事があります。8級では不満なので、改めて書類などを集めた上で、再審査を受けるようなイメージです。実際、異議申し立てによって8級などと認定される事もあります。

後遺障害の3種類の基準と慰謝料の金額

ところで上記でも少々触れましたが、慰謝料には3種類の基準があるのです。それぞれ金額は異なりますから、注意が必要です。

例えば14級ですが、上述の通り慰謝料は32万円にはなります。しかし、それは自賠責基準なのです。自賠責だけでなく任意保険と裁判所基準もあって、それぞれ40万円と110万円になります。そして8級であれば自賠責基準では324万円になり、任意保険基準なら400万円になり、裁判所基準は830万円なのです。

異議申し立てになるのも、そこに理由があります。保険会社は任意保険基準で算出しているので、金額が低めになってしまう事があるのです。

ちなみに理由は売上です。保険会社としても売上げ数字を追求しているので、本来受け取れるべき裁判所基準よりも低くなるケースがしばしばあります。

ですから多くの方々は、交通事故の後に弁護士に相談している訳です。弁護士なら、たいてい慰謝料は裁判所基準で取れるからです。

後遺傷害の等級が軽い判定になる理由

それと、たまに軽い等級として判定されているケースもあるのです。上述の8級と10級の異議申し立ても、その一例です。

なぜ等級が軽くなるかというと、主に書類不備です。等級を判定する為には、とにかく裏付けが必要です。医療データや書類など、色々な証拠を材料に等級を判断する事になります。

ですから書類不足な時などは、等級判定も軽くなってしまう傾向があります。ですから不足している書類を集め直して、改めて異議申し立てを行ってみると、10級でなく8級と修正される事があります。

医療データも同様です。医師によっては書類の書き方を間違えている事があり、10級などと判定されてしまう事もあるのです。もしくは検査が未実行なので、低い判定になる事もあります。ですが不足している医療データを補えば、8級などと判定されるケースもあります。

まとめ

いずれにせよ交通事故の後遺障害には、色々な等級があります。各等級に対する基準も3種類あり、その状況に応じて慰謝料の数字が判断されるのです。慰謝料を高くする為には、やはり書類がポイントになります。書類が不足していると、軽い判定になりやすいです。それと依頼する医師と弁護士です。交通事故に詳しい医師や弁護士に相談する方が、慰謝料も高めになる傾向があります。過去実績などをよく確認して、交通事故に強い専門家に相談してみると良いでしょう。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

関連記事

コメント

コメントする

目次