交通事故の加害者が不起訴に!検察審査会に申し立て

2020 1/16

交通事故が起きた時は、起訴にするかどうかを決定する事になります。起訴であると決定されれば、たいてい加害者に対する刑罰も決定されるのですが、たまに不起訴になる事もあるのです。

交通事故の被害者からすると、不起訴になるのは納得できない事もあるでしょう。どうしても加害者に刑罰を加えてほしい時などは、納得できないのも当然です。ですが実は審査申立てという手続きを踏めば、やり直してもらう事もできます。

目次

交通事故の加害者が不起訴になるケースと不服申立

検察官の判断で不起訴になる事がある

加害者を刑事裁判にかけるかどうかは、検察官が決めています。検察官が様々な状況を確認した上で、起訴にするかどうかも決定している訳ですが、状況によっては不起訴になる事もあるのです。たとえ被害者が「重い刑罰をお願いします」と訴えていても、不起訴になってしまうことはあります。

不起訴になってしまう理由は、それこそ状況次第です。確かに被害者の感情なども考慮されますが、それ以外に色々複雑な事情があって、あえて不起訴にすべきであると判断される事もあります。それを決めるのは、検察官なのです。

交通事故の加害者が不起訴の時は不服申立は可能か?

交通事故では、慰謝料なども決定する事になります。後遺障害の慰謝料も、自賠責保険で手続きしてもらうことになるのです。

ところが加害者としては、決定された慰謝料に納得できない事があります。予想以上に慰謝料が安い時などは、もう少し多くしてほしくなる事もあるでしょう。

その場合は、不服申立という手段があります。改めて書類や証拠などを揃えた上で、その申し立て手続きを行ってみると、慰謝料が見直しされる事もあるのです。

それが可能であれば、加害者に対する「不起訴」という判断も不服申立できると思われるかもしれません。しかし、残念ながらそれは不可能です。

というのも日本の法的なシステムでは、何回も裁判は行えないルールになっています。上告などは別として、基本的には1回限りになりますから、そもそも不服申立を行うこともできません。

ですが、何とかして加害者に厳罰を下して欲しい被害者としては、それでは納得できない事もあるでしょう。

市民に判断してもらう検察審査会制度とその流れ

一般市民が判断を下してくれる検察審査会制度

上記の悩みを解消する制度もあるのです。検察審査会制度なのですが、いわゆる裁判員制度のようなものです。

2,004年には、司法制度改革がありました。それに伴い、裁判員制度が導入される事になったのです。その制度が導入されたことにより、一般市民も裁判に関われるようになりました。それ以前までは、主に裁判所が判決を下しているような状態で、市民の声が反映されて判決が下るような状況ではありませんでした。ですが民主的に判決を下すのが望ましいという声もあり、一般市民も裁判員として呼ばれるようになったのです。

裁判員は、国民の中から無作為に選ばれます。選ばれた市民は、基本的には裁判には参加する必要があります。忙しいという理由だけでは、参加を断る事はできません。ただ学生や重病者などは、断る事はできます。

それで起訴か不起訴かについても、その裁判員制度と同じように、一般市民に判断してもらうことは可能なのです。それが検察審査会制度になります。

ただし裁判員制度とは、微妙に異なる点もあります。裁判員制度は原則6人の市民が判決を決めに行くことになりますが、審査会制度では11人の市民が決定するのです。ちなみに3ヶ月ごとに半数が入れ替わります。

検察審査会での議論とその3つの結論

検察審査会での手続きは、基本的には2段階になるのです。状況によっては、1回限りで起訴不起訴が決定される事もあります。

その1段階目ですが、上述の裁判員制度のように選ばれた国民が、交通事故に関する色々な状況を確認していくのです。今までの事件の例や、記録などを確認した上で、起訴か不起訴いなるかを議論していく事になります。その際、お互いに意見交換なども行うのです。

その際に、議論してくれる国民の方々は、検察官や弁護士から情報を得る事もできます。場合によっては弁護士からの意見も聞いて、起訴にするかどうかを決めにいく訳です。

ただし弁護士がどちらかの味方につく訳ではなく、あくまでも議論を進めてくれる国民に対する助言する役割だけを担います。法律事務所のように、被害者の味方につく訳ではありません。

議論の結果は、下記の3つになります。

  • 不起訴相当
  • 不起訴不当
  • 起訴相当

まず1つ目の不起訴相当とは、もともとの検察官の判断が正しいと見なされる事になります。

2つ目の不起訴不当とは、もう少し詳しく審査を行うべきという判断です。そして起訴相当と判断された時は、後述の2段階目の審査に進みます。したがって2つ目と3つ目の判断になった時は、起訴になる確率は高くなるのです。

ちなみに起訴相当かどうかは、多数決によって判断されます。11人中8人の意見が一致していれば、起訴相当になるのです。

2段階目の審査で起訴議決になるかどうか決定される

ちなみに1段階目から2段階目の審査に進むかどうかも、検察官が決定します。検察官が不起訴処分と判断すれば、2段階目に進むのです。その逆に、検察官が「起訴」と判断してくれる事もあります。

2段階目の審査ですが、やはり選出された国民同士で議論が行われます。ただし2段階目では、検察審査員という人物からの法的助言も求める必要があります。

この2段階目の審査にて、「起訴議決」と判断された時には起訴になるのです。ただし起訴議決になるためには、検察官の意見も聴取しなければなりません。状況によっては、もちろん起訴議決に至らない事もあります。

議決と判断されれば、指定された弁護士が起訴の手続きを行ってくれます。

検察審査会手続きの申し立てと事務局の場所

検察審査会の手続きのために申立書を提出

上述の検察審査会の一連の手続きを踏むためには、検査審査事務局に書類を提出する必要はあります。審査申立書と呼ばれる書類があり、それにも下記のような複数の記入項目はあるのです。

  • 申立人の住所や電話番号や職業など
  • 罪名
  • 不起訴処分になった日付
  • 検察官と被疑者の名前
  • 不起訴処分になるのは不当と思われる理由

これらを事務局に提出するわけですが、費用はかかりません。

書類を提出する事務局は場所

どこに事務局があるかというと、全国各地の165ヶ所です。基本的には、全国にある地方裁判所の建物の中に事務局があって、そこで上述の書類を提出すれば、上述の再審査を行ってもらう事はできます。ですから手続き自体は、別に難しくはありません。検察官の判断だけで不起訴になってしまうのは納得できない時は、その制度も活用してみると良いでしょう。

検察審査会についておさらい

被害者からすると、加害者に重たい罪を下してほしいにもかかわらず、不起訴になってしまうのは合点がいかない事もあるでしょう。しかし申立書を提出するだけで、国民に再審査のような手続きを踏んでもらう事も可能なので、必要に応じて検討してみる価値があります。

2段階に渡る審査が行われますから、最終決定までは若干時間はかかります。しかし、どうしても検察官の判断に納得できない時は、検討してみると良いでしょう。

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