交通事故による上肢機能障害という症状と後遺障害

交通事故による上肢機能障害という症状と後遺障害

交通事故で腕に強い衝撃が加わると、ほぼ全廃に近い状態になってしまう事があります。

事故によっては、腕が全身麻痺して治らなくなってしまう事もあるのです。それぐらいの状態ですと、後遺障害も5級であると認められる事もあります。

5級ですから、慰謝料の金額7,000万円近く支払われている実例もあるのです。ただし適切に自分の症状を主張しなければ、それよりも低い金額になる事もあるので、注意が必要です。

目次

上肢機能障害という症状とその主な種類

上肢機能障害の箇所とその3つの症状

交通事故でしばしば見かける上肢機能障害という症状は、腕の指を含まない部分に対する障害になります。

冒頭でも触れたように全身麻痺になってしまう事もあるのですが、上肢とは腕全体のことではありません。あくまでも肩関節と肘関節と手関節の3つの関節に障害があり、手指は別パーツであると見なされるのです。

上肢機能障害には主に3つの障害があって、具体的には下記の通りになります。

  • 欠損障害
  • 機能障害
  • 変形障害

交通事故による上肢の欠損障害と変形障害

1つ目の欠損障害とは、上肢がなくなってしまう状態のことを指します。ただし上肢が全てなくなるのではなく、事故によって状況は異なります。確かに上肢が全てなくなる事故もありますが、一部分だけ無くなっている症状もあるのです。どの程度無くなったかによって、認定される等級も異なります。

3つ目の変形障害は、その表現通り形が大きく変わってしまった状態です。たとえ治療しても骨がうまく癒着せずに、曲がった状態になってしまう事もあれば、それで運動障害が起きるケースもあります。それで可動域が制限されたり、曲がっている箇所に痛みが生じる事もあるので、場合によっては再手術が必要です。

交通事故による上肢の機能障害とは

2つ目の機能障害ですが、腕が失われている訳ではありません。しかし下記のような状態になってしまうのです。

  • 用を廃した状態
  • 著しい障害が残っている
  • 機能に関する障害が残った

1つ目の用を廃したとは、残っていても機能がほとんど無い状態を指します。上記の3つの関節が全て動かなくなったり、たとえ動いても10%程度になってしまった状態です。

2つ目は、可動域は狭くて症状は重たい状態を指します。3つ目の機能に関する障害は、2つ目の著しい障害ほど重たくなく、可動域は多少は広めではあります。

つまり上肢を動かすのが難しくなってしまうのが、機能障害になります。

上肢機能障害に対する認定等級と保険会社が主張する慰謝料

交通事故の後遺障害と認定等級

ところで交通事故に関する後遺障害には、必ず等級があります。等級は全部で14段階になっていて、1級が一番重たいのです。1級ともなると、およそ社会生活も困難な状態になります。

後遺障害の等級は、慰謝料にも大きく関わってくるのです。1級に対する慰謝料が一番高くなり、たとえ自賠責でも900万円台になります。しかし14級ぐらいのレベルですと、100万円にも達しません。症状の重さに応じて、支払われる慰謝料も変わるのです。

慰謝料だけでなく、後遺障害には逸失利益もあります。後遺症が残るような状態ですと、およそ体を動かすのも難しくなってしまい、収入が入らなくなる事もあるのです。その場合、被害者としては減収分のお金を請求することになるでしょう。基本的には年収と等級に左右されますから、重たい等級になれば逸失利益の金額も大きくなります。

上肢機能障害はどれぐらいの等級で認定されるか

では上述の上肢機能障害という症状の等級はどれぐらいになるかと言うと、それも上述の種類に左右されるのです。具体的には下記のどれかの級になります。

  • 欠損障害 1、2、4、5級
  • 機能障害 1、5、6、8、10、12級
  • 変形障害 7、8、12級

欠損障害は腕が失われたような状態ですから、やはり等級も重たくなるのです。機能障害の1級は全身麻痺したような状態ですが、片側の1つの関節の可動域が4分の3程度といった症状なら、12級ぐらいになります。

変形症状ですが、7と8級は補正器具を使うような状態であり、長管骨という腕の長い骨が変形したような時は12級と認定される事が多いです。

上肢機能障害と保険会社が主張してくる慰謝料

上肢機能障害に対する慰謝料は症状次第ですが、注意すべきなのは保険会社です。上肢が麻痺してしまった時などは、生活に対する大きな支障が生じてしまいますから、加害者の保険会社にもお金を請求する事になるでしょう。

その保険会社は、安い慰謝料を主張をしてくる事があります。色々な角度から症状を見てみて、それほど重たくないと主張してくるケースはあります。本来なら5級ぐらいで認定されるべきなのに、保険会社は9級ぐらいが妥当であると強気に主張する事もあるのです。

本来よりも低い等級で認定されてしまえば、もちろん支払われる慰謝料も低くなってしまうので、注意が必要です。やはり証拠などを提示し、自分の症状を的確に主張する必要はあるでしょう。

上肢機能障害の慰謝料の実例と弁護士相談のメリット

上肢機能障害で5級で7,800万円台の慰謝料が認定された実例

ところで冒頭でも触れた上肢が全身麻痺してしまった方ですが、その方は5級であると認められています。

その方は、弁護士を通じて裁判を起こしたのです。利き腕が完全に麻痺してしまい、およそ仕事も不可能な状態になったので、弁護士に相談して手続きを進めました。

その結果、後遺傷害の慰謝料は1,440万円と認定されて、逸失利益は6,400万円前後で認定されたのです。合計すれば、もちろん7,840万円になるでしょう。

ただし、もちろん認定される等級は人それぞれ異なります。上肢機能障害も色々あり、800万円前後と認定されたケースもあれば、8,000万円近い慰謝料が認定されているケースもあるのです。

上肢機能障害は弁護士に相談すべき

もしも上記の方が自力で裁判に臨んでいたり、保険会社に一括で手続きを任せていた時などは、7,800万円台にならなかった可能性はあります。

上記でも少々触れた通り、保険会社は安い慰謝料を提示してくる事もあるのです。その保険会社との交渉に難航すれば、慰謝料が低くなるケースはあります。

また自力で裁判をするとなると、かなりハードルは高くなるでしょう。証拠などを提示して、自分の主張を的確に伝えなければなりません。
ですが上記の方は、弁護士に相談しています

。弁護士は様々な証拠やデータなどを提示し、被害者にとって有利になるよう症状を実証してくれるのです。いわゆる裁判所基準が適用されて、慰謝料も高くなる傾向があります。

逸失利益も含めれば慰謝料は高くなりますし、上肢機能障害の後遺障害の手続きは、弁護士に相談してみる方が良いでしょう。

まとめ

腕の機能が失われてしまうぐらいですから、上肢機能障害の症状はかなり深刻です。まして全身麻痺ともなると、仕事にも大きな支障が生じてしまうでしょう。およそ生活も困難な状態になってしまうので、相手からの適切な慰謝料は欠かせません。

その症状は、やはり弁護士に手続きを任せる方が無難です。支払われる慰謝料も高くなりやすいですし、弁護士は相手との交渉も代行してくれるので、相談してみるのがおすすめです。

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