交通事故の賠償請求の時効を中断させる方法

2020 1/23
交通事故の賠償請求の時効を中断させる方法

交通事故で負傷した時は、多くの被害者は示談金を請求しています。

負傷した時の治療費や慰謝料などを請求する訳ですが、その前に示談交渉を行う必要があります。加害者と被害者との間で話し合いをして、具体的な金額も決定する訳ですが、時効は要注意です。

やや極端な例ですが、交通事故が発生してから8年も経過した頃に慰謝料を請求しても、ほぼ確実に無効扱いになってしまいます。事故が発生した後は早めに交渉すべきです。

目次

交通事故の示談交渉の時効とその起算日

示談交渉の時効は交通事故から3年

交通事故の加害者と被害者が示談交渉する目的は、もちろん金額決定もあります。具体的にどれぐらいの金額を支払う事になるか、話し合いによって決定する訳ですが、話がまとまらない時には裁判になる事もあります。

話がまとまれば示談金支払いの手続きに進む事になりますが、それにも時効があるのです。基本的には、事故が発生してから3年以内に示談交渉する必要があります。冒頭でも触れたような8年目などのタイミングでお金を請求しても、まず示談金を受け取る事はできません。

慰謝料などは、あくまでも加害者・被害者の両者が示談交渉を行っていた時に限り受け取る事ができます。示談が行われていなければ、被害者は肝心のお金を受け取る事もできませんから、注意が必要です。

後遺症が無い時の時効起算日は交通事故の翌日

交通事故には、大きく分けると下記の3つのパターンがあります。

  • 事故は発生したものの後遺障害は無い
  • 事故によって後遺障害は残った
  • 死亡してしまった

上記の3つは、それぞれ損害賠償請求権の起算日は異なるのです。

まず上記の1つ目ですが、後遺障害のない事故の場合は発生した当日ではなく翌日です。上記の2つ目のパターンと異なり、症状固定されたタイミングではありません。後遺症が無い以上、そもそも症状固定もないからです。

交通事故の後遺症が残った時は症状固定の日が起算日

交通事故が発生した後に負傷すれば、多くの被害者の方は医療機関で治療を受けます。むちうちなどの症状があり、整形外科で治療を受けている方も少なくありません。

ところで通院を続けると、だんだん症状は良くなってきますが、「これ以上治療を続けても、意味が無い」と判断され症状固定になる訳です。さらに後遺症が残ってしまうケースもあります。

後遺症が残る場合は、医師から「症状固定です」と伝えられた日が損害賠償請求権の起算日になります。上述の後遺症が無いパターンと違って、事故翌日ではありません。

交通事故で死亡した時の起算日

交通事故によって死亡してしまった時は、死亡日が起算日になります。遺族はその被害者に対する損害賠償の請求も行っていますが、それにも上述の事故があるのです。

死亡事故の場合の時効は3年です。ですから本人が死亡して5年も経過したタイミングに損害金を請求しても、無効扱いになってしまいますから、注意が必要です。

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時効を止めたり延長する為の方法

交通事故の加害者からの債務承認で時効が無効になる

上記のような時効の注意点はあるものの、実はそれを無効にする方法もあるのです。お金を受け取っていた時などは、3年の時効が消滅する事もあります。時効を証明する為には、下記のような方法があります。

  • 債務承認
  • ADR
  • 仮渡し金の支払い
  • 調停
  • 裁判

上記の1つ目ですが、相手に債務を認めさせることによって、事故をなくすことができます。例えば加害者と被害者が話をして、結局は加害者がお金を払う事になり、その話を書面で証拠に残すことがあります。いわゆる念書にして「お金を支払います」と加害者に書いてもらえば、3年の時効を無効にできる訳です。

ADRへの相談で交通事故の時効を迎えるのを止める

交通事故で悩んでいる方々は、しばしばADRと呼ばれる機関で相談しています。交通事故の紛争解決を行っている機関ですが、そもそも示談交渉はスムーズに進むとは限りません。2者が交渉を行ってみるものの、なかなか示談金が支払われない事もあるのです。肝心の示談金が支払われないまま時効を迎えてしまいますと、賠償請求できなくなります。

そこでADRに相談してみる方法もあるのです。幸いにもADRでは、時効期間が進むのを中断する手続きを取る事もできます。ですから時効が心配な時は、ADRに相談してみるのも悪くありません。

お金の一部を受け取って時効を止める

交通事故が発生した後は、加害者は被害者にお金の一部を支払っている事があります。損害賠償の総額は400万円であるものの、その一部である40万円程度を支払っているケースもありますが、それで時効を迎えるのを止めることもできます。

その際、金額の大小は関係ありません。上述のように40万円などの金額でなく、たとえ3,000円や1万円など少額で支払われた時でも、時効は一旦ストップします。

自賠責の仮渡金制度で時効を止める

ところで上述のお金の一部受け取りにも関連してきますが、自賠責保険には仮渡金という制度があります。そもそも交通事故の被害者は、色々お金が必要になってしまう事も多いです。ですが予算にも限界がありますから、お金に困っている被害者の方も少なくありません。

ですから自賠責保険には、損害賠償のお金の一部を支払う仮渡金という制度もあるのです。その制度で受け取れるお金には上限はあるものの、そもそも時効は金額の大小に左右されません。時効が気になる時は、その制度も活用してみると良いでしょう。

調停申立で時効が進むのを止める

その他にも調停という方法もあって、裁判所で話し合いする手続きになります。調停は、申し立てをした時点で時効が進行するのを止める事ができます。

ですが状況によっては、調停が不成立になってしまう事もあるのです。その場合、訴訟提起という手続きを行わないと、時効が消滅してしまいます。不成立になった時は、1ヶ月以内に提起する必要があります。

損害賠償の請求訴訟で時効を延長する

そして一番確実なのは、裁判です。賠償請求の訴訟を起こした時にも時効が進むのを延長する事ができます。ちなみに、時効進行がストップする訳ではありません。3年から10年に引き伸ばしするので、厳密には時効「延長」になります。

ただ時効が近い時期などは、間に合わなくなってしまう可能性もあります。その時は、やはり弁護士に相談する方が良いでしょう。

そもそも損害賠償に関する訴訟を起こすなら、金額に関して色々主張する事になるでしょう。被害者1人で主張していくハードルは、非常に高いです。それよりも弁護士を通じて手続きを進めていく方が有利になりやすいので、法律事務所に相談してみると良いでしょう。

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交通事故の賠償請求の時効についておさらい

一番注意すべきなのは、損害賠償請求には時効があるという点です。3年経過してしまいますと、肝心の慰謝料を支払ってもらうのは難しくなりかねません。

交通事故によっては、症状はかなり深刻になってしまう事もあります。手足が切断されたような状態は、とても深刻です。それで慰謝料を受け取れないのは困りますし、上記のような点を踏まえて、事故が進むのをストップもしくは延長してみると良いでしょう。

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